図柄表:ナポレオン1世図柄裏:ナポレオン1世の墓地発行地:フランス帝国発行年:1840年額 面:メダル材 質:青銅直 径:41 mm重 量:36.78 g分 類:Bramsen-1990備 考:ナポレオンの棺パリ帰還記念®️1840年に行われたナポレオンの棺の返還を祝ったものである。失脚後、セントヘレナ島に幽閉されたナポレオンは同地で没し、埋葬された。だが、オルレアン家のルイ=フィリップ1世がフランスを統治していた時代、彼は人気取りのツールとしてナポレオンの棺をフランスに返還させた。メダルの表側にはナポレオンの肖像、裏側には墓地を俯瞰した風景が描かれている。墓地内には柳の木が植えられている。これはナポレオンが好んだ木だった。ナポレオン3世がこのメダルを手にしたかは分からないが、もし手にしていたなら、この記念メダルを観ながら、怒りで手を震わせていたことだろう。表裏に銘文が記されている。仏語原文と日本語による試訳を記載する。NAPOLEON EMPEREUR皇帝ナポレオンMEMORIAL DE STE HELENE 5 MAI MDCCCXXI. PARIS 15 DEC. MDCCCXLセントヘレナにて1821年5月5日没1840年12月15日パリに帰還を祝してセントヘレナで没したナポレオンのパリ帰還を祝している。没しても尚、ナポレオンに対する人々の熱狂は凄まじいものだった。ボナパルティストは、ナポレオンがフランスに戻って来たと歓喜した。一方、ルイ=フィリップ1世のこの行動に激怒した者がいた。それはルイ=ナポレオン、即ち後のナポレオン3世である。甥である自分を差し置いて、なぜオルレアン家の人間に偉大な叔父の棺の返還の手柄を取られなくてはいけないのか?ナポレオン3世は憤慨すると共に苦悩した。その後、革命によってルイ=フィリップ1世も失脚に追い込まれ、再び共和政が訪れた。その間もルイ=ナポレオンは、自身が皇帝に君臨する野心を燃やし続けていた。二度のクーデタに失敗し、投獄された後も彼は決してめげることなく、脱獄を果たして大統領に就任、その地位からついには皇帝の座を手にした。メダル一枚にも当時の人々の思惑や人間模様が隠されている。造形美だけでなく、歴史に目を向けると二度美味しいのだ。
商品の情報